歪な光
穢れてるんだよ。





母親の彼氏に犯されてから、私は知らない男に触られる事をお金のためだと割り切れるようになった。





デートなんて、何も感じない。
ただ、一瞬の夢を見せてあげるだけ、罪悪感すらもう私には感じない。






「瞬ちゃんみたいに、正義の味方している人に、私のことなんて理解できるわけない」






そうだ、この人は国民の平和を守る職業。






私みたいに風紀乱す奴は、排除しなければならない存在。






なのに、私は瞬に助けてほしいなんて…





無理な話じゃないか、希望を夢見て馬鹿みたいな自分を滑稽に感じる。






「私、かえる。瞬ちゃんにもう助けなんて求めないから安心して」





そう言って、横を通り過ぎ用とした時、瞬の手が私を掴む。






拒む権利は私になかった。






むしろ、掴まれた手から伝わる瞬の体温が、私の凍った心をとかしてくれるような感覚。






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