歪な光
でも、そんな私に瞬は厳しい表情を向ける。
怒っている?





「そんな名前で呼べるわけないだろ」






低くて、厳しい口調で言い放つ瞬に、私も動揺する。






どうして瞬に怒られなければいけないのか、意味が分からないよ。






そんなキョトンとしている私の頭に、瞬は優しく手を乗せて私の目をしっかり見つめた。





「穢れてなんていない。こんなに、綺麗な心を持っていて、脆い…」





綺麗な心?






私の何を知ってそう思ったの?






私は自分の事を何も知らないで、勝手な事をいう瞬に腹が立ってきた。






「瞬ちゃんに、私の何がわかるの?!
援交してるんだよ?知らない男とデートしてお金かせいでるんだよ?そんな奴が綺麗な心なわけないじゃん」






私は瞬の手をはねのけて、立ち上がる。





瞬も負けじと、そんな私に合わせるように立ち上がり、視線をあわせる。





< 45 / 165 >

この作品をシェア

pagetop