脳内☆彼氏
友達はいません。
妄想で作った恋人:脳内彼氏の名前は「捨華(シャカ)」。私がつけた。嫌な自分を捨てさせてくれる妄想だから「花音を捨てる」で「捨華」。


やっと下校時間。
今日も一日やりすごせた。解放感で足取りも軽く…なってもいいはずだけど。一人で帰るのは、やっぱり寂しい。
秋のどこまでも高い空と肌寒い空気が、更に心細くさせる。

とぼとぼ歩き始めると、前を歩いていた男子が振り返った。茶髪をツンツン逆立てて、学ランの下に派手なTシャツを着た2年生だ。フンと笑って私に手を差し延べた。

(何ぐずぐずしてんだ?置いてくぞ、花音)
(…捨華)

はい、ごめんなさい。今のは妄想です。妄想彼氏だから、キャラチェンジも好き放題です。

(そうだ。お前の気まぐれで、見た目も性格もコロコロ変えなきゃいけない俺の苦労も、ちょっとは考えろよ)

捨華は私の手を引いて、ブツブツ文句を言いながら歩いた。

(ごめんねー)

脳内での私は、短いスカートをひるがえして、彼氏に手を引かれて歩く。
現実の私は校則通りの長さのダサいスカートで、一人、すこし背を丸めて歩く。

一人で歩くことも出来ない私はダメ人間ですか?
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