【完】姐さん!!
「つかぬことをお聞きしますが……」
「……?」
「流兄に、キス、された……?」
おそるおそる。
たずねてみれば、なるみは不思議そうな顔をして「キス?」と首をかしげる。……待って。
「告白は、されたけど……
キスなんてされてたら、さすがにわたし、衣沙に泣きついてると思う……」
待って。まじで待って……!
キスされてねえの!?されたから泣いてたんじゃねえの!?え、なら俺の完全な勘違い!?
そもそも俺が、
なるみがキスされたのを、知ったの……って。
「っ、あいつ俺のことはめたな……!」
なるせのせいかよ……!
俺がなるみにいつまでたっても迫れないからって、なに勝手なことしてくれてんだあいつ……!!
「ごめん。ごめんなるみマジでごめん。
別になるみは何も悪くない……!」
「え、じゃあ、なんで避けてたの……?」
「………」
あれ。 待て、よ……?
なるみが流兄にキスされてないってことはつまり、なるみのファーストキスは誰にも奪われていなかったわけで。……俺、あのあと何した?
眠ってるなるみに。
……キス、した、よな?