【完】姐さん!!
「……男の人って、誰にでもキスするもの?」
「さあ。でも誰彼構わずしないだろ」
「うん、わたしの幼なじみは誰彼構わず女の子たちにキスしてたから困ってるんだけどね」
「そーいや……
あいつお前のこと、姫っつってたぞ」
「……姫?」
「そ。あいつにとってお前は姫なんだと。
よかったじゃねーか、好きな男に姫扱いされて」
……衣沙がわたしのこと姫って言ってたの?
なにそれ、そんなの聞いたことないんだけど。
「ね、え……あの、ニナくん」
「今度はなんだよ」
「衣沙って……
もしかして、わたしのこと、好き、とか……?」
いや、そんなはずはない……わよね?
でも、なんていうか、わたしにはいつも甘いし。そういえば衣那くんのことはもう好きじゃないって言ったとき、便乗したように満月ちゃんのこと好きじゃないって言ってたし。
あれ、そういえばさおに対してもやたらと冷たくなかったっけ?
流くんのときも、ひさしぶりに会ったのに、なぜか終始不機嫌だった。
「……お前今までその可能性考えなかったのかよ。
普通の幼なじみなら、あんなにべたべたしないだろ。つーかどう見てもお前のこと好きだろ」
「………」