ふとした時に思い出して気付いた。


 出会いは突然だった。


 大学で刺激のないつまらない毎日を過ごしていた私の前に、君は突然現れた。



「ねえ、これ落としてない?」



「あ・・・・・・はい」



 どこで落としていたのだろう。



 目の前の彼は私のハンカチを持っていた。



 きっとさっきトイレから出て来たところでうっかり落としていたのだろう。



「ありがとう・・・・・・」



 薄い花柄のハンカチが私のかすんだ心を表しているように見えた。


 
< 1 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop