ラブソング -詩-






「パパはぁ~…」

「いないの。しょうがないでしょ?」

「…うん」


マサフミと咲子の子ども紗菜は、今年から小学生だ。

仕事でマサフミが家にいないことも多い。
パパっ子の紗菜は、良く寂しがって泣いている。


「あと、3日で帰ってくるから大丈夫よ」

「うん。じゃ、さなもう寝るね」

「うん。おやすみ」


紗菜は最近、大人ぶって自分の部屋で一人で寝るようになった。
咲子は少し寂しさも感じていた。

その時、電話が鳴った。


『もしもし?』

『あ、咲子?俺』

『おしいね。さぁちゃん今寝たよ』

『まじで!?もう2日も声聞いてない』

『ふふっ、レコーディングはどう?』


マサフミは自身の集大成とも言えるアルバムを出して、歌手を引退する。

これからは、若手の育成と自分が作った歌を提供していくつもりでいる。


『あぁ…。許可を取ろうと思って』

『許可?私に?』

『永遠の詩、アルバムに入れて良いか?一番最後の曲はやっぱりこれしか考えられない』




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