護衛目的の執事です
パソコンのキーを打つ音が鳴り続いている。



時々止まっても、すぐに鳴り出す音。



しばらくそれが続き、やっと。



「終わり、か」



と一息着き、背筋を伸ばすのは水無月鏡花。



彼女は美しく、そして儚い。



銀の腰下までの長く艶のある髪、



水色掛かった様な銀の瞳に、それに掛かる純白の長い睫毛。



豊満な胸に、括れのある腰、長い手足といった全身は白く透き通るようで、白人よりも尚白い。



まるで天から降りてきた無垢な天使の様だ。



………池に映った月に触れると、水面が揺らいで月は消えてしまう。



鏡花水月。



鏡花も同じように、触れれば消えてしまう様だ。

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