メトロの中は、近過ぎです!
両手首をしっかり握られて、どんなに力を入れても逃げられない。
唯一動く首を左右にブンブンと振って、イヤだとアピールするけど、あごを掴まれて上を向かされた。

「ちがっ…主任!」

倉庫にある全てのものが歪んで見える。

「真帆…」
「やめてくださ…」

顔を固定されたまま無理矢理に唇をつけられた。

「ん~っ……」

驚きと嫌悪感で全身に力を入れても主任は離れようとはしない。
何度か舌が入ってこようとしたけど、歯を食いしばって耐えた。

やっと解放され息をつくと、今度は両手を頭上で一つにまとめられた。

「やめてください!」
「怒った顔も可愛いよ、真帆…」

何を言っても通じない恐怖に体が震える。
主任の唇が首筋を這う。
顔を背けると空いている方の手で胸を掴まれた。

「いやっ!」

全身で激しく抵抗すると、ブチって音がして、

「そんな……」

ブラウスのボタンが取れて、胸元が露になっている。

これはシンさんのために揃えた下着で……こんなはずじゃなかった。

こんなところで、こんな人に自由にされてたまるか。

「お願い!やめて!」

叫び声に近い懇願をすると、思いっきり左頬を叩かれた。

「静かにしろ」

そのまま唇で口をふさがれ、ブラウスのボタンが外されていく。
左頬がジンジンと痛み出す。
掴まれた手首も痛い。

圧倒的な力の差に涙が止まらない。
誰か助けて……

途中から引きちぎられるようにしてはだけたブラウスを避けて、主任が直接肌に唇をつける。

「いやーーー」

必死の力で押しのけて叫ぶと、主任が薄笑いを浮かべた。

「本当は待ってたんだろ?」

スカートの中に入ってくる主任の手。

どんなにもがいても逃げられない。

このままこんなところで、こんな人に自由にされるなんて……
< 100 / 309 >

この作品をシェア

pagetop