メトロの中は、近過ぎです!
「真帆さ~ん」
早速、隣の席の沙也香ちゃんが、ニヤニヤしながら近寄ってきた。

「大野さん、素敵ですね」
「そうだね」
「この話、知ってました?」
「ううん。全く知らなかった」
「何者なんでしょう?」
「中途採用って感じでもなさそうだよね?」
「大野さんのこと、本社のコにリサーチしときます!」

「任せてください」ってやけに張り切る沙也香ちゃんに、「よろしく」って言おうとしたら…
「はい、そこまで。ミーティング行くよ」
前の席の伊藤チーフからお呼びがかかった。

「はーい」
今日もピンヒールでスタスタ歩く伊藤チーフは、見るからに仕事のデキる女。
私の憧れの人。
伊藤チーフと沙也香ちゃん、そして私。
この3人がオリエンタル建材営業3課の女子チーム。

営業3課は人形町支社とも言われているけど、本社が狭いから人形町のビルに入っているというだけ。
もちろん花形営業部の1課と2課は銀座本社の中にある。

でも営業3課が別の場所にあるのは、違う意味があるのかもしれない。

ここはちょっと問題を起こした人たちや、本社にはいてほしくない人達が集められた、言うなら島流し的な感じの部署。

まぁ私もその一人ではあるんだけど
でも私はこの人形町支社が気に入っている。

この会社に入ってもう4年。
ようやく仕事も覚え、業者さんとも渡り合えるようになり、過去の傷も癒えてきた。

そろそろ恋愛系のドキドキも、こんな日常に加わらないかなー、なんて思い始めている。
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