侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?
なんでそんなに嬉しそうな顔するんだよっ! 
声だって1オクターブ高いだろうっ! 
奥様で良い、奥様で!

「うん、そうだね」
彼女の顔を見つめながら、こいつは歯の浮くようなセリフを吐きやがった。

「それにしてもセルル、女神みたいに綺麗だ……、あんまり君が素敵だから心臓が止まるかと思ったよ」

遠慮せずに止まっちまえっ!! 

「まあアンディーったら。でも、お世辞でもとっても嬉しいわ」

エセルは、弾んだ声ととびっきりの笑顔で言った。

ハッキリ言って面白く無い。

「これ、僕が育てた薔薇なんだけど……、君に」

結婚したての花嫁に、普通そんなもの持ってくるか!? 
お前ゼッタイ僕に喧嘩売ってるだろうッ!

一、二、三……七本て、花言葉は確か……『密かな愛』だろう!? 

お前死刑! ゼッタイ死刑ー!!

エセル、僕の時みたいに『香りが強すぎる』って言って断れ! 

頼むよ……お願いだから断ってくれ。

「まあ、有り難う。とっても可愛らしい。それになぁんて良い香りなんでしょう!」

ふふふ、なんて微笑みながら、嬉しそうにピンクの薔薇の香りを嗅いでいる。
その姿に胸が抉られる思いがした。

僕が渡そうとした『エセル(白薔薇)』は膠(にべ)も無く断ったくせに!!

無性に腹が立つ。

エセルなんて…………嫌いだ
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