侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?
番外編

出産予定日から8日後、私は気絶しそうなほどの痛みを味わったのち、無事元気な女の子を産みました。

出産、特に初産は痛いものだと聞いていましたが、あんなにとは。

でも娘の顔を見た途端、か、かわいい……。

じぃんと感動が込み上げてきて、激痛は何処かへ吹っ飛びましたが、一方で気がかりな事が。

生まれたのは女の子、レイはがっかりするかも知れません。

「エセル」

あ、レイが産室に来ました。
既に娘だと聞かされているはずです。

「よく頑張ってくれたね……本当に有り難う」

愛情、感謝、労わり、安堵、興奮、短い言葉の中に、真心がぎっしりつまっているのが伝わって来ます。

「ぅわぁぁ、可愛いなぁ……」

溜め息混じりの声とともに、サファイアの目が、まるで宝物を見つけたように見開かれます。

助産師さんからそっと渡された娘を、まるで壊れ物を扱うようにおっかなびっくり慎重に抱く夫。

キラキラした眼差しで腕の中を見つめながら、
「初めまして。お父様だよ、サブリナ~」

ふわふわの真綿でくすぐるような、優しい優しい声です。

サブリナというのは、この子の名前。
女の子ならサブリナ、男の子ならエドモンドにすると決めていましたから。

それにしても本当に嬉しそう。
目尻が口元まで下がっちゃってます。
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