侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?

エセルsaido2

息を飲むほどドラマチックな展開でした。

レイモンド様を乗せた青鹿毛の馬は、先頭を走るアンディーを乗せた葦毛の馬からだいぶ遅れを取っていましたが、怒涛のように追い上げ、ついには葦毛の横に並んだのでした。

しかし一瞬で離され幸運も此処までかと誰もが思った矢先、青鹿毛の馬は神が宿ったかのような驚異的な走りを見せ、優勝を攫いました。

圧倒的な迫力に魅了され、数名の令嬢達がパタパタと気を失ってしまったほどです。

レイモンド様のことは苦手ですが、私も人馬一体の力強さと躍動感あふれる美しさに心を奪われ、癪ですが鳥肌が立ち涙が溢れました。

勿論アンディーの姿にも感動しましたが、彼が優勝しなかった事に正直ホッとしています。
私にとってアンディーは、やはり仲の良い幼馴染です。

あら?
レイモンド様を乗せた青鹿毛君が、私が座っている席の前の方で止まりました。

「グローリー、お前は何でも御見通しだな……ははは」

レイモンド様は馬上で青鹿毛君の首筋を撫でながらそうおっしゃって、優雅に地面に降り立つと、私の所へ進んで来られ跪(ひざまず)かれたのです。

う゛、まずいっ!! 

「エセル嬢、あなたの夫となる栄誉を、どうかわたくしにお与え下さい」

レイモンド様は蕩けるように甘く切ない微笑みを浮かべ、数名の令嬢達はまたパタパタとその場で気を失ったのでした。

公開プロポーズって、今あなたヒーローですし、そんなのゼッタイ反則でしょー!! 
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