侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?
着替えと冷や汗と失言と
リードマンに連れられて支度用の部屋へ行くと、若いメイドが2人待機してくれていました。

「奥様のお召し替えのお手伝いをさせて頂く者達でございます。さ、君達」

「ベルでございます」
私よりも3・4歳上の、いかにも仕事が出来そうなクールビューティーです。

「ジェーンでございます」
逆に2歳くらい下の可愛い系女子です。

きっとあなた達にもあの夜、酔っぱらった私を見せちゃったのよね? 
幻には……出来ないわよねぇ? ほほほ

「これから色々迷惑をかけると思うけど、宜しくね」 
ドキドキしながらも、精一杯にっこり。

間髪容れずリードマンが、生き生きした目で小型爆弾を投げてきます。

「奥様、これからじゃなくて引き続きですよ。2人とも既に奥様の正体を存じ上げておりますから、そう畏まらないで下さい♪」

黙れ、この毒舌副執事! 
そこは触れないのが大人のルールでしょうがっ! 

「では私はこれで」

何食わぬ顔で言って踵を返す黒副執事の背中に向かって、とっとと帰れー、と心の中で負け犬の遠吠えキャインキャイン!

そして早速、髪型チェンジとメイク直しスタートです!

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