侯爵様のユウウツ 成金令嬢（←たまに毒舌）は秀麗伯爵がお好き？

「お風呂での遣り取りってなに！？　わたくし何かやらかしちゃったの？？」

「あ、いえあの、昔流行った言葉遊びを旦那様に仕掛けられただけです……。その……大した事では……」
と言葉を濁すクールビューティー。

「わたくしは、どんな事を言っちゃったのかしら～？　教えてベル、ジェーン」
ドキドキドキドキ

そしてベルが教えてくれた内容に、気絶しそうになる私。

「『い』の部分を『お』に変えるあれを、旦那様に仕掛けられたんです……。『タイル』は『タオル』、『貝』は『顔』、『じゃ、いっぱいは？』って……。答えは『おっぱお』ですけれど、旦那様はまんまと引っかかられて、お二人でそれはもう楽しそうに笑っていらっしゃいました。そのお姿が何とも微笑ましくて。他にもいろいろおっしゃっていましたが、忘れてしまいました」

メンンタル崩壊しそうです。
恥ずかしい事を、恥ずかしいシチュエーションで言っちゃったのよね？　
子供の頃、男の子達から仕掛けられた言葉遊びを、どうしてあのタイミングで思い出すかなぁ、エセルぅぅ！　

後悔先に立たず。

「旦那様にあんなに愛されて、奥様は本当にお幸せです……」
と声を弾ませるジェーン。

真相を知らないから言える言葉よね……。
否定するのもなんですし、ほほほと笑って誤魔化しましょう。

そうこうしているうちに無事？　お着替え終了

「奥様、エメラルドグリーンのドレスが素晴らしくお似合いです」
とジェーン。

「本当に、まるで新緑に祝福をお与えになる女神のようですわ～」
とベル姉さん。

ふふふ、流石に持ち上げ過ぎですが、温かく親しみやすく仕事の出来るメイド達に、色々な意味で心の底から感謝です。

「ベル、ジェーン、本当に有り難う」

「「旦那様が別室でお待ちでございます。ささっ、参りましょう」」