侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?

エセルsaido

居間を出ると、階下から艶やかなオーケストラの演奏が聞こえてきました。

時おりお客様の楽しそうな笑い声も溶け込んでいて、沈んでいた気持ちも少し上向き……ませんでしたー。
トホホ

外見にNG出された花嫁の気持ちを、お察し下さいませ。
『変わり果てた姿』なんて言い間違い、ゼッタイしませんから!

あ、バーバラ様が、こちらに進んで来られます。

「ん? んんん? 大きなグリンピースだと思ったら、ソラマメね? あぁらまあエセルちゃんじゃないのー! あなたその格好、大合格よ、おめでとう!!」

あのその流れだと確実に不合格ですよねえ、仮装的に合格って事ですか? ねえちょっと。

あっけにとられている私をよそに、バーバラ様は続けます。

「ああ待って、豆よりもカエルだわね。ええと、小さくて可愛らしいあのカエル、ほらあれよあれ、ええと名前が出てこないわ……。まったく、歳はとりたくないものね」

ああ、アマガエルですね。

確かに可愛いですけど、花嫁相手に使っちゃいます!?  
と思った私の横で、「ああ、ガマガエルですね」と、ぶっきら棒かつ強烈な一言が。
ゲッ! またお前かレイモンドぉぉ!

言った本人以外フリーズ!

レイモンドー、お前のみぞおちぐーで殴るぞ!!

一瞬間を空けて
「ああああもうっ、旦那様っ、それを言うならアマガエルですってーーー!!」
言いながらリードマンは、額に手を当て天を仰いでいます。

目を見開いて、口に手を当て息を呑むレイモンド様。

「あぁらレイモンド、婦女暴行と母親殺しに加え、ガマガエル発言! 侮辱罪もいいところだわね。凶悪犯の息子を持つと辛いわ~! おーっほっほっ、さぁてと、わたくしは忘れ物を取りに行くところだったから、これで失礼するわね~」
と、何ら悪びれもせず美しく去って行かれました。

「立つ鳥あとは気にしない……。あの方だけは、この世の終わりが来ても、生き残れる気がする」
ポソリと呟くリードマン。

その後、玄関ホールへ降りた私達でしたが、暫くの間、私はレイモンド様と口をきかなかったでした。
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