侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?
後悔する侯爵様・・・なのに

レイモンドsaido

エセル駄目だよ、あまりにも君が綺麗で言葉が出ない……。

エメラルドグリーンのドレスを纏った君を見た瞬間、僕は呼吸することすら忘れていた。

美しく化粧を施された可愛らしい顔。印象的な琥珀の大きな瞳、艶めく珊瑚の唇。
緩やかに結いあげた髪と色香漂ううなじ。
透き通るほどに白くなめらかなデコルテでは、僕が選んだサファイアのネックレスが輝いている。

『エセル、もし良かったら披露宴で身に着けて欲しい』

先日君の家を訪問した際、口から心臓が飛び出しそうになりながら、何でもない風を装って贈った、僕の瞳の色に合わせて選んだサファイアのアクセサリー。
お揃いのブレスレットも指輪も、君に良く似合っている。

着けてくれるか本当に不安だったから、身震いするほど嬉しい……なんて言葉じゃ足りないくらいだ。


恋愛ゲームでならどんな美辞麗句でも並べられる。
今までだって何度もそうしてきたのに、君にはそんな薄っぺらな言葉はかけられない。

今の君は、困ってしまうくらい美しくて可愛くて、どう言って良いのか分からないんだ。

だから空回りして、つい失言を。

こんな大事な時に、僕は何て愚かなミスを犯したんだ。


コンウェイが呼びに来た。行かなければ……。

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