不誠実なカラダ
「高杉の事、抱けば抱く程、放したくなくなった。愛おしくて、このままの関係が、ずっと続けばいいと思った。」

私はその言葉に驚いて、後ろを振り返った。

「体も気持ちも、一緒に抱いてほしいと思ったのは、俺も一緒だ。高杉。」

「部長……」

私と部長は見つめ合うと、舌を絡めるように、深いキスをした。


その後に、二人でホテルに行ったのは、当然の事だったと思う。

「ん……っ……」

車から、永遠に続いているんじゃないかと思うくらいに、ずっとキスをし続けた。

「環奈……」

初めて部長に、名前を呼ばれて、ゾクゾクした。

「こんな事、女に言うのは初めてだから、恥ずかしいんだが……」

瞳の奥を見つめるような、部長の眼差しに、ドキッとした。

「……愛してる。」


およそ、そんな言葉を言わないような人に、耳元で囁かれて、一つに重なり合うなんて。

私もこの行為が、愛を深めるモノなのか、初めて知ったかもしれない。
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