僕の肺をあげるから、君の心臓をちょうだい
「ねぇ、他には?
他にはどんな本を読んだ?」
咲来に訊かれて琢磨は視線を宙にさ迷わせる。
「あー、あれ読んだ。
余命宣告を受けた主人公が家に帰ると自分そっくりの悪魔がいて、その悪魔から寿命を1日延ばす代わりにこの世から何か1つ物を消すって言われるやつ」
「あ、それ僕も読んだ」
そして、お互いその本のおもしろかったところを言い合う。
「僕は病気持ちだから余計に共感できたなぁ」
「なら、さらに楽しめてよかったね」
少しからかおうとして、わざと反応の困ることを言ったのに、琢磨は普通に返してきた。
それに少し驚き、興味心を擽られる。
もしかしたら、この人おもしろいかも。
そんな事を思いながら、他の本の題名も言い合うなどして、話が弾んだ。