軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


 部屋に運び込まれた数多くのドレスや装飾品は、すでにレイヴンが厳選してくれたものなのだ。


それだけ彼がたくさん悩んで選んでくれたものだと思うと、セレアも真剣に選ばければと色々試着をする。


 あれこれ試して靴まで選び終える頃には、お昼を回ってしまった。


「ふう、少し疲れたわ」


 いつもは一緒に食事をとるレイヴンだったが、招待客の対応に追われて今日はひとりで寂しい昼食となってしまった。


 部屋に戻ってもやることがないセレアは、トボトボと庭園を歩く。そこには、ふたつの国を平和に導いたシラユリの花が記念にと植えられていた。


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