軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「宮殿に戻ったら、初夜をやり直したい」


「はい……え?」


 もちろん、どんなお願いも叶えるつもりでいた。ただ普段は冷静沈着、研ぎ澄まされた刃のような人から出る言葉にしては、かなり大胆で甘い。


 耳の側で大砲でも打たれたかのような衝撃に、しばらく口がきけずにいた。


(初夜って、初夜って!)


 婚礼の後の初夜は、フリで終わった。あのときの首筋に触れた熱い口づけや肩だけとはいえ肌を晒した羞恥心を思い出して、体が熱を持ち始める。 


 じわじわと言葉の意味を理解すると、嬉しさに頭の中がどろどろに蕩けてしまいそうになった。恥ずかしさと、これから訪れるだろう彼との幸せな夜を想像したセレアの顔は赤みを帯びる。


それを見たレイヴンは身の内の猛りを静めるように、深く息を吐きだしていた。


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