私は君が分からないから
席に移動する。



空いてる席はいくつかあったが無視。



座りたいと思う席は2つあり、それはどちらも窓際。

一番後ろと、その前だ。



一番後ろは1つポツンとあり、

中々に惹かれたが、この席は私のお守りを任されていた月兎のものだ。



散々言われたから覚えている。



…まぁ、座ってしまえば奪える訳だが、

昨日の夜からしんどそうにしていたし辞めておく。



窓際の席になれたのだし、いい調子だろう。



一番後ろから1つ前にとりあえず座り、

さっきから煩い視線を煩わしく思い始めた時。



ーガラガラっ



扉が乱暴に開いた。



関係ないのは分かっている為窓の外に広がるグランドを見る。



…ん?

何故か静まり返った教室内。



ささやき声すら聞こえない。



変に思って扉の方を見ると、そこには見慣れない顔の整った生徒が居た。



当たり前か。

登校初日で顔を知ってるほうが変だ。



そう片付けて終いにしたかったが、

その生徒が教室内に入り、そのまま私の方に向かって来た為無理だった。



「…何か?」



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