配信教室
「なになに? ゲーム?」


3人と比較的仲の良い女子生徒が楽しげな声を上げる。


「ゲームじゃないよ。本当の殺し合い。武器は教室内にあるものならなんでも使ってもいいよ」


チホがそう返事をしたので、声をかけた女子生徒はとまどった表情になった。


本当の殺し合いと言われてピンとくる生徒がいるハズがない。


「ほら、早く動かなきゃ。殺らなきゃ殺られるんだよ?」


そう言われてもクラス内からは笑い声が漏れるだけだった。


俺は鞄を持ち、ドアへと近づいた。


ユリが警戒した様子でこちらをみる。


「やめとけよ」


そう言ってユリの肩に手を置いた。


次の瞬間、激しい痛みがわき腹を襲い、俺はその場にうずくまっていた。


「澪!?」
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