鬼の生き様











試衛館はタマの出産で幸せな雰囲気に包まれていたが、時代は大きなうねりをあげていた。


幕府は、和宮降嫁による公武合体の交換条件として攘夷決行を約束していた。



しかし中々実行に移さない幕府に、ついに朝廷はいらだちをみせはじめる。



このような状況のもと、勅許を携えた島津久光らによる文久の改革で幕府は将軍、徳川家茂が上洛し、攘夷について討議することを約束する。



さらに同年、一刻も早く攘夷を決行するようにと念を押す使者が朝廷から送られてきたのだ。



ここまで催促されると何かしら返答を出さなければならなくなり、将軍家茂は攘夷決行について今後の方針を検討するため上洛することとなった。



しかし、京都では〝天誅〟と称する倒幕を志す過激な尊皇攘夷派の浪士達が佐幕派の者たちを斬りまくり、もはや幕府の治安維持能力では手がつけられないほど悪化していた。









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