残り100日の私と大好きな君
「咲楽ちゃんっ!!!!!!!!!!」
手首をガッと掴まれる。
ゆっくり目を開けると、そこには必死な顔をした奏汰くん……
「…な………………んで……」
「何やってんの!?!?!?!?そんなことどうでもいいから、早く上がってきてよ!!」
大声を出す奏汰くんの目にはなぜか涙が浮かんでいる。
私は、奏汰くんに引っ張られて、屋上に戻ってきた。
屋上に座り込むと、奏汰くんがギュッと抱きしめてくれる。
「何してんの……」
怒ったような、呆れたような、悲しいような声
「…………死のう…と……思った」
「なんで」
「……………………………………」
「なんで!!」
「死にたくなかったから…」
「は?」
「…………私、あと2ヶ月で死ぬから…。どうせ、苦しんで死ぬなら、奏汰くんの顔が見れて、話が出来る今のうちに……幸せを閉じ込めておこうと思った……」
「………………………………」
しばらく無言の沈黙が続く
ただ、冷え切った私の体には奏汰くんの熱がゆっくりと伝わってくる。
「……バカじゃないの」
「………………」
「やめてよ……そんなこと…。俺を、置いていかないでよ……。咲楽ちゃんがいなくなったら、俺…………どうすればいいんだよ…」
そう言って、奏多くんは泣いていた。
初めて、奏汰くんの弱い所を見たような気がした。