学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます


「まぁ、あれだ。学校2週間休んでいたのはじいちゃんのことで色々バタバタしてたから。心配かけてごめんね」


まだ全然辛いはずなのに。


悲しいのは何一つ消えてないはずなのに。


笑ってそう言う鈴香ちゃんを見ていると、また涙が溢れそうになる。


「もう一つ、ごめんね。静音」


「えっ?」


「でもさ、仕方なかったんだ」


突然謝って話し出す鈴香ちゃんに頭の上にはてなマークが浮かび上がる。



「じいちゃんの容体がすごい深刻だって病院で話聞かされた帰りに、柊にばったり会ってしまってさ」


「柊くんに?」


「うん。私相当暗い顔してたらしくて。どうした?って聞かれたら、なんか我慢できなくなって泣いちゃって…」


そりゃ、大好きな人のそんな話を聞いちゃ、泣いちゃうよ。


「だから仕方なく、柊には事情を話すことになったんだ。ただ、絶対心配してくれる静音や土田には黙っててくれって条件で」


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