学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
口に入れた瞬間、ふわふわのほのかな甘みのあるパンと、滑らかで濃厚なクリームが口の中で広がる。
すごい…こんなクリームパン、食べたことないよ!
すっごく美味しいっっ!!
なかなか買えないと噂のクリームパン。
そんな貴重なものを…柊くんは私に一口くれた。
「ひ、柊くん!すっごくおい……」
「静音」
っ?!
突然、柊くんの顔がドアップになったかと思うと、彼の親指が私の唇のすぐ横に触れた。
「ひ、柊くん…?」
「静音」
「は、はいっ…」
やっぱり、面と向かって名前を呼ばれると、途端に心臓の鼓動が速くなって顔に熱を持ってしまう。
慣れないな…。
「今の、間接キスって言うんだよ」
っ?!
へ?!
そう言われて、私の顔は身体中の穴から湯気が出ちゃうんじゃないかと心配になるほど熱くなる
今、柊くんなんて?!
私が考えないようにしてたことを…。
あんなにもサラッと…。
「照れすぎ」
柊くんはそう言って、親指で拭った私の口元についていたらしいクリームをペロッと舐めて、意地悪な笑みを浮かべた。