学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
「遠足って、どこ行くの?!」
突然、横から興奮した声が聞こえたので顔を向けると、
椅子から離れた高城さんが私の肩をユラユラ揺らしながら聞いてきた。
圧がすごい…。
そして…高城さんが喋るたびにチラチラと向けられるクラスメイトの視線が痛い。
友達なんてもう絶対できないよ…。
「ねぇ、静音!」
っ?!
その声で、ハッと飛んでた意識が戻る。
「あ、ごめんっ…えっと…自然公園…かな」
この間もらった年間行事計画のお便りにそう書いてあった。
2年生が自然公園なのはもうこの学校では長い間変わっていないらしいし。
「自然…公園?」
なにやら難しい顔をした高城さん。
あぁ、やっぱりギャルだからそういうの嫌だって怒りだすんじゃないかな…。
都会で買い物したいって言いそう、なんて勝手な偏見を心の中でつぶやいてしまう。