クリスマスツリーの前で
私はドアが開ききる前に、素早く凌ちゃんから離れて本棚を見るふりをした。


ギリギリ、壁ドンは見られずに済んだはず…?


凌ちゃんは、なぜか壁に向かって立ったまま固まっていた。


「兄ちゃん、ケーキ持ってきたよ。
ママの手作りケーキと、挽きたてコーヒー」


慎くんが、テーブルの上にケーキとコーヒーを並べてくれている。


「慎くん、持ってきてくれてありがとう~。
わぁ~、美味しそうなケーキ!
おばさまにも、ありがとうって伝えてくれる?」

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