病院嫌いなのにお医者さんと結婚!!
リビングのソファーに座って点滴されながら、晴人さんとおしゃべりしてた。
晴人さんは、本当は少しでも眠った方が早く良くなるよって言って膝掛けをかけて、私の体をさすってくれた。
いつのまにか、眠ってしまってて、気がついたら、ソファーに寝かされてた。声がする方を見たら、ママもパパも晴人さんもいて、お昼ご飯食べてた。
「由美、起きた?」ってママに言われたら、晴人さんが来てくれた。
「点滴は、もうちょっとだね。熱は少し下がったみたいだね。」って額に手を当てて言ってた。
私は食欲はあまりなかったけど、一応、一緒に食事をした。
食後はリビングのソファーで皆んなでお茶飲んで、おしゃべりした。
やっと点滴が終わったから、はずしてもらえるって思ったのに、パパがもう1本入れるよって言って、新しいパックにつないでしまった。
今日はずっと点滴につながれたままかもしれない。

晴人さんはすっかりパパやママとも打ち解けて、話ししてた。
点滴につながれたまま、部屋に行って少し休みなさいってことになって、晴人さんと2人で私の部屋にきた。
晴人さんは「かわいい部屋だなぁ」って言ってた。
確かに、高校生の時に選んだ壁紙とカーテンや家具の部屋はローズピンクが基調の部屋になってる。
晴人さんにも「ベッドに入って休みなさい」って言われた。
「もう、お医者さんは嫌い」って言ったら、「今日は、由美ちゃんのかわいい一面が見られて楽しかった」って言われてしまった。

「晴人さんは、本当にお医者さんなんだね。外科って手術ばっかりしてるの?」
「毎日って訳じゃないけどね。外来だと怪我の治療の時もあるし、内科と連携して薬で治療するか手術するか検討したり、手術することになったら、検査して、どういう方法の手術がいいか考える。出血量はどれくらいになりそうか、とか時間はどれくらいかかりそうか、とか、必要な材料や器具とか考えたりするのが、仕事だね。」
「ふうん、若い女性の患者さんとか、晴人さん人気あるでしょ?晴人さんのお医者さんの姿、かっこいいもん。」
「そうか?ありがと。でも、若い女性なんてほとんどいないよ。患者さんは高齢の人が多いし。」

やっと点滴が終わって、晴人さんが針を抜いてくれた。「抜くのは痛くないから、そんなに怖がって力入れないでよ。」って笑って言われたけど、自然にびくっとしちゃうんだもの。しょうがないよ。

夕方、晴人さんは帰っていった。今度の休みにはお出かけできるといいなぁ。
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