【完】『雪の都』

桜子はエレベーターに目をやった。

深雪である。

薫もすぐ気づいた。

目配せすると、

「じゃあ、まずは夫婦水入らずで」

と席を外した。

これでなんとかなった。

と。

桜子も、薫も、虎口を逃れたように思われた。



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