【完】『雪の都』

次々とメインテーブルにオードブルや寿司、ケーキなどが並ぶ。

それを取り分けて円卓で食べるというバイキングスタイルで、パーティーは始まった。

薫と桜子は互いにあまり知らない顔が多かったのもあって、二人で料理と酒を口にしたのだが、

「まるでカップルやな」

という薫の何気ない呟きは、桜子の胸中に薫の存在を意識させるものでもあったらしい。



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