囚われの雑草姫と美麗冷酷男子の生活
訳あって囚われの身の上
バチン!!

平手打ちがクリーンヒット!した
素晴しく響く音に…思わず覗き込んだのが
…運命の始まり

「酷い!サイテー!!2度と連絡しないで!」

硝子を引っ掻くような耳が痛くなる高音の叫び声をあげたのはテレビの中で見かけるような美女

(うわ!すごい美女!)

思わずじっと観察してしまうとその美女のこめかみには

(青筋立ってる?)

とても怒っているようだ
美女が怒りに震える姿は美しいけれど恐ろしい

…叩かれた相手は誰?とそちらを見ると…

「?!」

こちらは美女よりさらに美しい人…
シャープな顎に整ったパーツが配置されている

ストレートに跳ね上がった眉毛に睫毛が長そうな猫目
通った鼻筋、薄いが形のよい唇

(こちらはイケメン!!)

美男美女ってホントに居るのねーと
緊迫しているシーンを何となくのんびり眺めていると

男性がふとこちらを見た

(え?)

すぐに反らされた視線

(なんだ…勘違いか…)

胸を撫で下ろしていると男性がうっとりとするような美しい顔で呟いた

「そう…じゃあ終わり…今までご苦労様」

「ま、待ってよ…これで?終わり?」

「ああ終わり…君も2度と連絡しないでと言ったよね?」

(確かに…さっき言ってた)

たとえそれが駆け引きのために彼女が言ったのだとしても…

「それは、だって貴方が…」

「次がみつかったから…君には感謝してるよでももう必要ない、さようなら」

綺麗に響くバリトンの声がきっぱりと「さようなら」を告げていた

(ほえー、フッちゃうんだ!)

美女はどうやら彼の本気を読み取ったのか…唇を噛み締めて…走り去った


あとは美しの彼が去るのを息を潜めて待つだけ

私は息を殺して様子を窺っていた

それなのに…

(?は?)

彼はくるりと身体の向きをかえて…
こちらに来たので慌てて小さくなるが

時既に遅し…

「覗きとは…イイ趣味してるね?お嬢さん」

「ひゃー!!!」

私の隠れ家に踏み込んできた…










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