囚われの雑草姫と美麗冷酷男子の生活
「うーおっほん!んっ、んっ!!」
(へ…?)
大きなわざとらしい咳払いが
扉の向こうから聞こえてハタと気が付く
(はっ!今、パーティーの最中!!)
「チェッ……」
彰貴さんは扉の方を向くと可愛らしく拗ねてから
私を抱き起こした
「戻らないとな……」
「はい……」
脚に力の入らない私を軽々と抱き上げた彰貴さんは
おでこにキスを落としてから不機嫌そうに扉を開けた
通路に出ると社長と奥様、そして左東さんや社長付きの秘書さんなどが赤い顔で笑っていて
それをぐるりと見まわして彰貴さんは益々眉間の皺を深く刻み
私は恥ずかしすぎて顔を埋めてしまう
(き、聴かれてたってことよね…は、恥ずかしすぎる!!!)
「お取り込み中すまないな?彰貴…
中々戻らないから探したんだぞ?しかも一応空気は読んだつもり…だが?」
社長は可笑しそうに言う
「全然、読んでませんね…これからって時に………」
ブツブツと文句を言う彰貴さんに一同がまた笑う
「パーティーは仕事だからな……立派に主役を務めろよ?はははは」
「分かっています」
彰貴さんは私をしっかり抱いたままだが、流石にこれで入れないだろうと下ろしてほしいと伝えた
「彰貴さん、下ろしてください…もう大丈夫ですから」
「ヤダね……」
止めるのも聞かず彰貴さんはそのままパーティー会場に入った
ざわざわと参加者たちが囁くのが見える
「みなさま失礼いたしました…愚息は未来の花嫁に心酔していまして…
いやはや…」
社長はそんな風に冗談めかしていってから
秘書さんに指示して私に椅子を与えてくれた
「ご無理なさらずに、どうぞこちらにお座りください」
壁際だけれど囲まれた場所に奥様と二人並んで座る
「失礼します…」
「どうぞ…それにしても那寿奈さんすごいのね?あの無表情な彰貴のあんなに険しい顔も
嬉しそうな顔も…あまり見たことがないわ…表情豊かでびっくりしたわ」
奥様はフフと口元手で覆いながら笑う
「な、何も私はしていません…彰貴さんは元々お優しいから…」
親御さんに心配を掛けないように生きて来たのだろう
「そうね…あの子は私のため、主人のために我慢したことが沢山あるんだと思うわ」
少し寂しそうな奥様に自分の言い方が悪かったから誤解させてしまったと気づいた
「ち、違います!私が至らないところをお優しいからカバーしようとして
冷静でいられなくしてるんです!奥様のせいじゃありません!」
(へ…?)
大きなわざとらしい咳払いが
扉の向こうから聞こえてハタと気が付く
(はっ!今、パーティーの最中!!)
「チェッ……」
彰貴さんは扉の方を向くと可愛らしく拗ねてから
私を抱き起こした
「戻らないとな……」
「はい……」
脚に力の入らない私を軽々と抱き上げた彰貴さんは
おでこにキスを落としてから不機嫌そうに扉を開けた
通路に出ると社長と奥様、そして左東さんや社長付きの秘書さんなどが赤い顔で笑っていて
それをぐるりと見まわして彰貴さんは益々眉間の皺を深く刻み
私は恥ずかしすぎて顔を埋めてしまう
(き、聴かれてたってことよね…は、恥ずかしすぎる!!!)
「お取り込み中すまないな?彰貴…
中々戻らないから探したんだぞ?しかも一応空気は読んだつもり…だが?」
社長は可笑しそうに言う
「全然、読んでませんね…これからって時に………」
ブツブツと文句を言う彰貴さんに一同がまた笑う
「パーティーは仕事だからな……立派に主役を務めろよ?はははは」
「分かっています」
彰貴さんは私をしっかり抱いたままだが、流石にこれで入れないだろうと下ろしてほしいと伝えた
「彰貴さん、下ろしてください…もう大丈夫ですから」
「ヤダね……」
止めるのも聞かず彰貴さんはそのままパーティー会場に入った
ざわざわと参加者たちが囁くのが見える
「みなさま失礼いたしました…愚息は未来の花嫁に心酔していまして…
いやはや…」
社長はそんな風に冗談めかしていってから
秘書さんに指示して私に椅子を与えてくれた
「ご無理なさらずに、どうぞこちらにお座りください」
壁際だけれど囲まれた場所に奥様と二人並んで座る
「失礼します…」
「どうぞ…それにしても那寿奈さんすごいのね?あの無表情な彰貴のあんなに険しい顔も
嬉しそうな顔も…あまり見たことがないわ…表情豊かでびっくりしたわ」
奥様はフフと口元手で覆いながら笑う
「な、何も私はしていません…彰貴さんは元々お優しいから…」
親御さんに心配を掛けないように生きて来たのだろう
「そうね…あの子は私のため、主人のために我慢したことが沢山あるんだと思うわ」
少し寂しそうな奥様に自分の言い方が悪かったから誤解させてしまったと気づいた
「ち、違います!私が至らないところをお優しいからカバーしようとして
冷静でいられなくしてるんです!奥様のせいじゃありません!」