囚われの雑草姫と美麗冷酷男子の生活
邸宅に戻ると二人で雪崩れこむようにソファーで座ると

彰貴さんは私を膝に抱き上げて腰に手を回しながら何度も口づけを落とす

柔らかい彰貴さんの唇が息が出来ないくらい降りてきてキスをするから
…ぼぅっとなりながら私は必死でそれに応える

やっと唇を離すと…彰貴さんは少し掠れた声で囁いた

「おかえり、那寿奈…」

指が頬を撫でる

「はい…ただいま戻りました彰貴さん…」

そっと頬に添えられた手に自分の手を重ねれば

じんわりと手がぬくもりを伝えてくる

(やっぱりこの人の傍にいたい)

「二度とこの家から勝手に出ていくなんて、するんじゃない」

泣きそうな顔の彰貴さんに胸が痛かった

「ご…めんなさい…でも貴方に迷惑かかると思ったから…」

紺上が彰貴さんや辻堂家に害を成すと聞いて気が気でなかった

「そんなもの君が傍にいることに比べたら取りに足りない…
大体君はオレを見くびり過ぎだ…オレは辻堂グループの跡取りだぞ?紺上なんぞに負けてたまるか……もし潰されそうになれば全力で巻き返してやるさ
処理に思いのほか時間がかかって…迎えに行くのか遅くなってすまなかった…」

自信に満ちた彰貴さんの顔はとても輝いていて
優しく私を見ていた

そうか、私はこの人が輝いていて優しい所が本当に好きなんだと改めて気付いた

「いいえ…もう二度と会わないつもりでしたから…嬉しかったです」

「二度と会わないって…あのあたりで新しい恋人でも見つけて暮らそうとしていたのか?」

彰貴さんは少し不機嫌そうに声のトーンを下げた

「ち、違います!私は仕事しかしていませんでした!!夜は…黄色いブランケットに包まって…」

(彰貴さんに抱き締められているつもりで寝ていたなんて聞いたら気持ち悪いだろうか…)

すると彰貴さんがニヤニヤと口許を緩めた

「へぇ…もしかして黄色いブランケットで…オレを思い出してたの?」

「…は、はい…」

「ふうん……だって勝手に出て行けるほどオレの事なんて何とも思ってなかったんじゃないのか?」

彰貴さんがそんな風に言うから思わず叫ぶ

「あ、彰貴さん以上に好きになれる人なんて
今までもこの先も居ません絶対に!」

恥ずかしいけれどそう伝えると彰貴さんが目を見開く

(やっぱり気持ち悪いかな…)

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