誓いのキスを何度でも
9月の終わり。

今日はトキちゃんの日。

ドライブと梨狩り。シンさんのお弁当のセットだ。


「結構、僕は晴れ男だな」

とシンさんは機嫌よく私を振り返って車を発進させた。

まだ夏の名残があるけど、日陰は涼しい風が吹いている。


誠太郎はシンさんに手伝ってもらって梨狩りを楽しみ、

たくさんの梨を持って帰ることになって、帰りに実家にも届けることになった。

「今日で誠太郎君に会うのも最後だから…
異動になったご挨拶もしたいからね」とシンさんは私の耳元で囁く。

「後で私が話しましょうか?」と聞いたけど、首を横に振る。


遅めの昼食は公園の日陰を選んでレジャーシートを広げる。

具沢山のサンドイッチはきちんと冷やされ、

おかずの揚げ物などと分けて持って来られていて、完璧な出来栄えだ。

「美味しい」と何度も言いながら誠太郎といただく。

「うん。嬉しいな。
誠太郎くんと、果歩は美味しそうに食べてくれるので作りがいがある」と微笑む。

もぎたての梨を剥いてくれ、シャリっとした食感を楽しむ。

瑞々しくてとても美味しい。





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