誓いのキスを何度でも
誠一は私達を連れて家具屋や、電気店を周り、

私達が一緒に暮らす前提の家具や、電化製品を一緒に選んだ。

私にカーテンの柄や、ファブリックの色を決めさせ、

「誠太郎、誠太郎の部屋のカーテンってどれにする?」

と誠太郎に聞いたりして、誠太郎をはしゃがせる。


誠太郎は誠一の手を握りしめて歩き回り、とても嬉しそうに笑っている。

ううむ。

誠一は今まで一緒にいられなかった分、

色々してあげたいって思っているのはわかるんだけど…

あまり甘やかさないように言っておかなくては…


買い物に時間がかかり、

遅くなった夕飯はファミレスに寄ることにする。

週末は家族連れが多いので
誠太郎と2人の私は気後れしてあまり行く気にならなかったな

と肘をついて、メニューをめくる。

「果歩、俺って調子に乗りすぎた?」と誠一が少し心配そうな顔を見せる。

「自覚があるならいいですよ。
あまり、誠太郎を甘やかさないでください。
2人の時が大変になります。」

「早く一緒に暮らせばいいんじゃないかな?」

「調子に乗らない」

「ええー?だって一緒にいたいんだもーん」

と誠一がふざけて両肘をテーブルについて掌に顎を乗せて私を見つめ、パチパチと瞬きをする。

「サクちゃん、カッコ悪いからやめて」とゲラゲラ笑いながら誠太郎が誠一を止める。

私もおかしくなってつい笑ってしまう。

「果歩には笑顔が似合う。」と誠一はニッコリする。

…誠一の笑顔も女心を掴むよ…

と私は少し赤くなってメニューを睨んだ。



< 102 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop