誓いのキスを何度でも
「沙也加ちゃん、いらっしゃい。」とキッチンの中から可愛らしい笑顔を見せてくれるのは、
兄の最愛のひと。果歩さんだ。

料理は少し苦手らしいけれど、料理なんてした事がない私には、十分家庭的におもえる。

「餃子にしようと思って…。
手伝ってね、沙也加ちゃん」

と言いながら、餃子のタネの入ったボールをダイニングテーブルの上におき、餃子の皮を広げる。

「…やった事ない…」と正直に言うと、

「ほんと沙也加ちゃんって、何にも出来ないんだねー。僕が教えてあげる」

とセイちゃんが笑いながら、私に餃子の包みかたを教えてくれる。

上手く包めなくて凹む私を焼けば一緒。と慰め、私も最近出来るようになったところ。
とふふと笑ってくれる果歩さんは、やっぱり優しいひとだ。

餃子を包み終える頃、兄が帰って来た。
セイちゃんがまた玄関のドアを開けに行って、一緒に楽しそうにリビングに入ってくる。
本日は日勤だったらしい。

「また、来てるな」と少し顔をしかめながら、私の頭をポンポンと叩いて、通り過ぎてキッチンに入り、果歩さんをぎゅっと抱きしめ、ただいま。と言っている。

あいかわらず、らぶらぶだ。

「いいでしょ、『相談には乗る』ってお兄ちゃんが言ったんだから…」

「2週前にもきてただろ」

「えー?そうだったかなあ?」

とトボけた返事をしておくと、兄は呆れた顔をつくって返事をせずに
セイちゃんとお風呂に入ってくるとバスルームに消えて行った。



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