誓いのキスを何度でも
4ヶ月後。

「俺ってすごいな。
欲望に任せていただけなのにこの調子だと何度でもコウノトリがくるかも…」

とくっきり妊娠のサインが出た市販の検査キットを見つめ、感慨深そうに笑顔を見せる誠一に、

「何度も、こんな事になったら、私が大変ですから…」

と朝起きたら突然の吐き気が止まらず、
グッタリとベッドに横になったまま呟く私。

前のように若くない。と心から実感するわー。
ツワリってこんな感じだったかな?

ウッと、吐きそうになると、誠一が洗面器を当ててくれる。
(ああ、新しい洗面器買ってこないと…)

もう、立ち上がってトイレに行くのも億劫だ。
どうせ、出るものはないし…

「…寝ててもいい?」と洗面器を抱えたままで言うと、

「もちろん。だけど…リビングのソファーで横になっておく?顔見れないと心配で、離れられないけど…」

「…そう? 病気じゃないですけど…
どこで寝ててもいいんだけど、
…しばらく、回復しないかもしれないなあ…」

とため息をつくと、

「果歩は辛いのに…ひとりで盛り上がってごめん」

と殊勝な表情を見せる誠一に

「あなたはすごーく喜んでください。
私もこんな顔でも、喜んでいるのよ」

と顔をしかめて、また、洗面器を抱えて顔を埋めた。


よしよし。と誠一は私の背中をさすりながら、少し安心した顔を私に向けた。

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