愛を知らない一輪の花 〜after story〜

トイレに駆け込み、空っぽの胃の中身を出す。

鏡に映る自分の顔は、血の気のない青白い顔。


蓮を心配させてしまう。
温かいお湯で何度か顔を洗い、気合を知れ直してまた、作業場にと戻った。




グロリオサの花束をラッピングしていると、後ろから話をしている声がした。





「〜〜〜っ!お腹痛いなぁ〜。」

「大丈夫?お腹でも壊したんじゃないー?」

「あ、ううん。今生理中だから。」

「あぁ〜。重い方?私も生理痛は重い方だもん。辛いよね。薬あるよ?飲む?」




そんな2人の会話を聞いて、百合ははっとする。

カレンダーを見て、ある不安が急に襲う。
< 126 / 169 >

この作品をシェア

pagetop