この手だけは、ぜったい離さない



翌朝。

今日は2泊3日のオリエンテーション合宿。

いつものバス停で、薄ピンク色のキャリーバックを手に持ったみっちゃんと会った。



「ねぇ、みっちゃん。私やっぱり……思いきって洋くんに好きって言ってみようかなぁ」

「おっ、マジで?ついに言っちゃうの?」

「うん……。やっぱり私、これからも洋くんの隣を歩きたいんだもん」



昨日の夜、洋くんとラインのやりとりを続けていてやっぱり好きだなぁって思った。



ラインの通知音がなっただけで、洋くんからかなっていちいち胸を高鳴らせてしまって。

『今日の夕飯なに食べたの?』というシンプルな文章なのに、差出人が洋くんってだけでニヤニヤしてしまって。

『おやすみ、また明日な』って返信がくれば、ベッドの上で足をバタバタさせてしまうほど嬉しかった。



「そっか。それなら思いっきり、あかりの気持ちをぶつけなよ」



洋くんは私のことを、ただの友達だと思っているのかもしれない。

女の子として見てくれていないのかもしれない。



それでも私は、洋くんのことを本気で好きだから逃げずに向き合いたい。

私の気持ちをちゃんと伝えて、洋くんの気持ちもちゃんと受け止めるって決めたんだから。



「あぁぁ……でも緊張しちゃってやっぱり言えないかもぉ…」

「なんじゃそりゃ。すごいかっこいいこと言ってたのに…」



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