この手だけは、ぜったい離さない
18時の夕飯は、150人ぶんの生徒がみんな入れるだけの広い食堂。
横一列に15人で座れる長いテーブルが、10つもある。
そのうちの2つのテーブルの上には、所狭しといろんなおかずが並べられていた。
どうやら今夜のメニューはビュッフェみたい!
好きなものを好きなだけ食べられるって、テンションあがるなぁっ!
「うわぁ、唐揚げ美味しそうっ!あっ、ポテトサラダも大好き!スパニッシュオムレツもあるよ!こっちにはカルボナーラもっ!」
「ちょっとちょっと、そんなにお皿に持ってちゃんと食べれるの?あかり」
「そういうみっちゃんこそ、唐揚げにハンバーグにフライドポテトにごぼうサラダに、マカロニグラタンとか多くない?」
「私はぜんぜん平気で食べれるから」
あっ、そっか…。
みっちゃんってお昼のお弁当も3段だったし、意外とよく食べる子だもんね。
他のクラスの子たちに混ざりながら、みっちゃんと一緒に隣同士で座った。
「ねぇねぇ、洋。隣に座ってもいい?」
「えー……女子となんか一緒に食べねぇよ。しっしっ、神田と一緒に食べとけっ」
ん……?
すぐ後ろの席から聞こえてくる低い声と、弾むような高い声。
洋くんとはるちゃんかな?