幾千夜、花が散るとも
6章
 スマホで検索しながら、足を止めたくなったらインターを下り。ぶらり旅をしながら昨夜は12時ちょっと前に帰って来た。

 ずい分遠くまで走って、・・・・・・このまま一也があたしを連れたまま戻らなかったら。一瞬そんな思いも掠めたけど。馬車がカボチャに戻る前にちゃんと連れ帰ってくれた。
 その夜は一緒に眠り、朝起きたら左の薬指にホワイトゴールドのシンプルな指輪が嵌まってて。ペアリングだと、一也は自分の薬指に嵌めたのも見せてくれた。・・・まさかキミ、明日それしたまま会社行く気じゃないよね?







「・・・で。お姫サマはどこ行きたい?」

 いつもより早起きしてくれた千也と10時には家を出た。今日は朝から爽やかな快晴。白いシャツはインしないで、生成りの細身のボトムズとウエスタンぽいブーツって千也は、本当に無駄にカッコイイ。手首のバングルが無駄に色っぽい。・・・てか、どんなカッコしてても好きなんだけどね結局。

 車で遠出も良かったんだけど、思う存分、千也に甘やかされたいから電車にする。ノースリーブでAラインの黒いワンピースに白のGジャンを羽織り、あんまりヒールの高くないブーティのあたし。左手の小指にはホワイトデーに貰ったピンキーリング。右手の薬指に一也からのリング。・・・さすがに左の薬指はね、空けとく。

「去年の秋にリニューアルオープンした水族館、トンネルみたいになってて面白いって。あれ行きたいの」

「へぇ。オレは水族館なんていつ行ったっけねぇ」

 千也は背中から腰に腕を回してあたしを支えながら、やんわり笑う。電車が揺れても揺れてなくても躰を寄せてずっとくっついて。周囲の盗み見るような視線もある意味、快感で。

 いいでしょう? これがあたしの最愛の男。



< 37 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop