彼と私の事情
席替え

ふぁー、っと欠伸をひとつかいて

電車のドアが開き
人混みに流され電車を降りる




まだ肌寒さが残っている4月下旬
どこの学校を見ても

女子高生のスカートは馬鹿みたいに短い




『…無敵だなJKわ』


改札口を出て呟いた私に



「お前もJKだろ。何だよそのスカートの長さ」

と後ろから愚痴をこぼす





私の『おはよう』も無視して

「3回くらい折れよ、何か地味に見える」

と続ける彼氏の水野翔




1個上の先輩で高校3年生

制服を気崩して髪はワックスで
固めた焼きそば


見た目はかなり派手だけど
その派手な見た目にピッタリな

綺麗な顔立ちをしてる
学校で知らない人は居ないくらいの有名人



そんな翔は彼女の私にうるさい




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