さすれば恋となる

私の心は少しばかり浮かれていて、ほんのちょっぴり緋衣呂君を忘れてたかもしれない。



えっと… 誰だろ?



手紙の主を目で探すもわからない私に天罰が下る数秒前……

肩をトン、とされて一気に緊張が高まったまま振り向く……




「 緋衣呂君? あれ、どうしたの?」




な、なんで緋衣呂君が!?

どうしているの!?

でも今 手紙の人がいたりしたら……

緋衣呂君が怒る!!



「 詩乃… 誰か探してる?」

「 えっ う、ううん、まさか!ちょっと図書室に来ただけだよ、緋衣呂君は?」



動揺するな、私!

ここに来たのは断るためだし、うん。


……でも なんでかなぁ 後ろめたい。



「 詩乃、まさかとは思うけど…… 俺が来ると思わなかったの?」

「 え… 」

「 俺の筆跡、わかんない?」

「 え… えーと…… 何?」



何言ってんの緋衣呂君…



「 昼休み図書室で待ってますって、あれ俺だけど…… まさか、告白される呼び出しとか思ってないよね?」



ひ… ひー…… 緋衣呂君だったのー!!

いやいや、筆跡とかわかんないし!

わかれって無理無理!



「 詩乃、お前…… 」



緋衣呂、君?



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