私は先輩と恋をする。
ーガラガラ
静かにしなきゃいけないのに
勢いよくドアを開けてしまう。
「潤先輩ー!」
あ、やば。
つい大きな声を出してしまった。
図書室を見渡すと
奥に座って
もうすでに調べ物をしている潤先輩がいた。
急いで潤先輩に近づく。
「潤先輩。」
葵に気付いて顔を上げる。
「ん、遅かったな。」
「梓と話してて。」
と言いながら潤先輩の前の席に座る。
「ああ安西さん?」
安西(あんざい)
ってのは、梓の苗字ね?
「そうです。
進んでますか?」
「うん。」
もくもくと書き続ける潤先輩。
「潤先輩。葵は何すればいいですか?」
「橘は俺の喋り相手。」
「喋り相手?」
手伝うつもりだったんだけどな。
喋り相手。
「そう。橘の話聞きたい。」
葵の話?
なんだ。急に。
可愛いなおい。