満月の存在。
白羽かのん。
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1 悪魔の正体

『……。』

ぼーっと椅子に座る暗い女子1名。
誰と連むでもなく、ただ窓の外を見つめる。

ここは

"高校"

と呼ばれる場所。
ここに通い始めて早二年目。

この春、私は高校二年生になった。

白羽漢字(はくはね) かのん



……昼はこうして学校に通っているわけで。


まぁ馬鹿じゃないからここに通う必要も無いんだけど。




友人も。


恋人も。


信頼しあえる関係も要らない。


私には必要ない。
クラスメイトと隔たりを作り、入らせない。


そんな私白羽かのんは、窓を見ながら小さく息を吐いた。


……ここにいても仕方ないか。


騒がしい教室で寝られるわけもなく、
私は人気のない場所を目指して歩き始めた。
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