曇のち晴れ
業後、素早く帰りの支度をして先生のところに向かった。

「失礼します。」

『こっちこっち。』

「すみません。お時間いただいて…」

『そんなことはいい。それより、こっちこそごめん。最近話す時間作れてなかった。』

「いえ、大丈夫です。」

『そうか…病院、どうだった?』

「えっと、この前の病院の日は内科の予定だったんですけど、精神科に行くことを勧められて、行ってきました。それで、適応障害だと言われました。」

『適応障害か…そうか。』

「ご存知ですか?」

『うん、俺達もそういう研修みたいなのがあって、一応知ってはいる。』

「そうだったんですね。」

『それで、俺にできることはあるか?最近、腹痛も酷いみたいだから…服部先生も心配してる。』

「わがままを言わせてもらえるなら、席を一番後ろの廊下側にしていただけると有り難いです。すぐにトイレや保健室に行けるので…」

『そうだね。その方がいいかもしれないね。わかった。そうするよ。』

「すみません。ありがとうございます。」

『大丈夫だから、気にするな。教室のことくらいどうにでもできるよ。』

「先生が居てくださるだけで、心強いです。」

『そうか?それは嬉しいな。まぁ、お互い様じゃないかな?』

「そうですかね?」

『うん。だって、このクラスなんてお前が居てくれるから回ってるようなものだぞ?いつもお前にばっかり仕事押し付けてるし…』

「それはお互い様じゃないですか?私もよくしていただいてるので…」

『うん。だから、お互い様ね?』

「あ、同じこと言ってましたね。」

『まぁ同じ気持ちな訳だね。』

「そういうことですね。何か、先生にお話ししたら、少し気が晴れました!」

『そう?それなら良かった。』

「ありがとうございました。」

『気をつけて帰れよ。』

「そういえば、先生っていつも"気をつけて帰れ"って言ってくださいますね。」

『そう言うと、本当に事故とかに合いにくいらしいんだよ。割合で言うと少ないかもしれないけど、何事もなく帰ってほしいからね。』

「そうなんですね。なら、先生も帰りの運転気をつけてくださいね!」

『え?あ、うん。わかった。ありがとう。』

「はい。さようなら。」
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