Dear Hero
この前、水嶋を含めた4人で帰っている時に、偶然孝介の彼女に会ったんだ。
俺たちは何回かは会った事あるから顔見知り。

初対面の水嶋はペコリと頭を下げて、「初めまして。十和田くんのクラスメイトの水嶋です」と挨拶していた。

「初めまして、長谷川栞です!孝ちゃんから話はいろいろ聞いてます!大護さんの彼女さんって…」
「あーあーあー。栞ちゃん、水嶋はね、大護がヘタレだから彼女じゃないんだよ」
「え、そうなの?」
「栞、言ってやっていいよ。大護のビビり、チキン野郎、意気地なしって」
「あーーもーー!ウルサイな!どうせ俺はヘタレですよ!行くぞ、水嶋」

よってたかって冷やかすもんだから、水嶋連れて先に帰ったんだっけ。
その後も、水嶋はその事には触れず…。

肩書きって、そんなに大事な事なのかなぁ。




「ま、二人が今のままでいいのならもう言わないけどさ」
「俺は言うけどね!このままだと俺のが先越しちゃうかもなー」
「童貞のくせに」
「うっせ!俺のは好きなヤツのために残してあんだよ!」
「哲ちゃん乙女かよ!」
「いいじゃんかよ!大護みたいに童貞捨てるためにヤルようなヤツと一緒にすんな!」
「別にいつどんな風にやろうといいだろ!」
「本当、お願いだからそっちの話は教室では声落として……」


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