Dear Hero
***
とある日の休み時間、間食の焼きそばパン食べながら三人で話していると、「澤北くん、少し良いですか?」と耳打ちされる。
「今日は22時上がり。うちで食う」
「わかりました」
確認だけすると、また離れていく水嶋。
「水嶋、なんて?」
「今日バイト何時までかって。あと、飯いるかって」
うちに住むようになってからは、母さんもパートの時間を延ばしたので、夕飯の支度を交代でするようになっていた。
水嶋の手料理は、すっかり澤北家の味になっている。
バイト先で賄いは出るのだけど、最近は家で食べる事が多くなった。
「夫婦かよ。そんぐらいメールで聞けばいいじゃん」
「少しでも俺と話したいのかなぁ。かわいい奴だなぁ」
「水嶋さん、メール苦手って言ってたよね」
「ぶははーっそんなんだからまだチューできねぇんだ」
「ば…っ!声でけぇし!つーかそれ関係ないし!」
「まだ付き合ってもないしね」
「そ…そうだけどさ…」
「むしろ告ってないんでしょ?バカじゃねぇの?」
「…ウルサイなぁ。なんとなく気持ち通じてるからいいんだよ」
「その“なんとなく”が別れの元になったりするって言うよね」
「女ってちゃんと“好き”って言わないとダメって言うよなー」
「水嶋は…そんな奴じゃねぇし……」
「じゃあこの関係を何と言うの?」
「………」
とある日の休み時間、間食の焼きそばパン食べながら三人で話していると、「澤北くん、少し良いですか?」と耳打ちされる。
「今日は22時上がり。うちで食う」
「わかりました」
確認だけすると、また離れていく水嶋。
「水嶋、なんて?」
「今日バイト何時までかって。あと、飯いるかって」
うちに住むようになってからは、母さんもパートの時間を延ばしたので、夕飯の支度を交代でするようになっていた。
水嶋の手料理は、すっかり澤北家の味になっている。
バイト先で賄いは出るのだけど、最近は家で食べる事が多くなった。
「夫婦かよ。そんぐらいメールで聞けばいいじゃん」
「少しでも俺と話したいのかなぁ。かわいい奴だなぁ」
「水嶋さん、メール苦手って言ってたよね」
「ぶははーっそんなんだからまだチューできねぇんだ」
「ば…っ!声でけぇし!つーかそれ関係ないし!」
「まだ付き合ってもないしね」
「そ…そうだけどさ…」
「むしろ告ってないんでしょ?バカじゃねぇの?」
「…ウルサイなぁ。なんとなく気持ち通じてるからいいんだよ」
「その“なんとなく”が別れの元になったりするって言うよね」
「女ってちゃんと“好き”って言わないとダメって言うよなー」
「水嶋は…そんな奴じゃねぇし……」
「じゃあこの関係を何と言うの?」
「………」